楽器フェア2018で面白い展示を見つけました。
CFRP製のギターを本気で研究する、「素材を奏でるプロジェクト」、という展示です。
車や飛行機なんかに興味がある方でしたら、知っているかもしれません。
CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)
炭素繊維と樹脂との複合材料で炭素繊維強化プラスチックの意味です。 特徴として、鉄やアルミなどの金属材料よりも低密度でありながら、力学特性に優れた比強度が高い、軽くて強い材料です。
wikipediaより引用
CFRPメーカーの大手であるTEIJINが、日本のギターメーカーRYOGA GUITARSと組み、
本気でいい音がするCFRP製ギターを研究する、ということです。
CFRP製ギター自体は、いままでも無かったわけではありません。
しかしそれは、あくまでCFRPの加工会社が自社の技術力をアピールするために作った、
いわば音質を完全に無視したギターでした。
それゆえに、CFRP製ギターは音が全然良くないというイメージが、音楽業界に広まってしまったのです。
しかし、CFRPはとても新しい技術で、この素材を楽器として使った場合の音質の研究なんて、もちろんまったくされていませんでした。
今回のこのプロジェクトは、CFRPの楽器素材としての特性を改めて研究し、その可能性を探るものです。
その結果、CFRP素材の組み合わせによって、木材の音に近いサウンドを得ることができることがわかったそうです。
つまり、環境破壊によって将来的に木材の調達が困難になったとしても、CFRPの組み合わせによって、
ビンテージギターのサウンドを簡単に再現できるようになるかもしれないのです。
それにもしかしたら、木材を超える、素晴らしい音を奏でる材料になりうる可能性を秘めているのです!
TEIJINのようなかなり大きい会社が協力している以上、夢物語ではないと思います。
将来の木材枯渇問題を見越してこんなプロジェクトを始めたのだとしたら、TEIJINの先見の明はとんでもないですね。
今はまだプロジェクトチームも5名程度だそうですが、皆さんかなり情熱をもって仕事してるみたいです。
どうか途中で開発中止になったりせず、一般販売できるところまで持って行ってほしいですね。
近い将来、ギタリストの殆どが、CFRP製のギターを使用する未来がくるかもしれません。
とりあえず、今持ってる木製のギター達は、100年後でも現役でいられるように、大切にしていこうと思います。
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